ワーカーズ・コレクティブ全国会議に参加して~地域の力の再確認~

2月19~20日、第15回ワーカーズ・コレクティブ全国会議がオンラインで開催されました。

二日目のプログラムは〈第一分科会〉「困窮者支援を組合員と共に拓く~生活クラブとワーカーズ・コレクティブ協会のまちづくりの実践~」に参加しました。

NPO神奈川ワーカーズ・コレクティブ協会が生活クラブ生協と地域の自治体と取り組んでいる、生活困窮者自立支援の具体例から、現状と課題をうかがいました。

座間市の「はたらっくざま」は就労支援事業から見えた課題~一定のプログラムを終了しても働く段階に至らない、病気を抱えて働くまでに至らない、就労しても引きこもりがち、孤立がち~が見えてきたことから、社会で受けとめる継続的な支援の場所が必要と判断した結果、2021年6月より居場所を開くに至ったものです。

その後は湯河原町の「はたらっくゆがわら」、平塚市の「はたらっくひらつか」とその地域(自治体)の特性に合わせて実践の場を広げています。地域毎に条件が異なり、地域資源も十分とは言えない場でも、ボランティアスタッフの参加が大きな鍵となっています。そして何より協会、生活クラブと共同企業体を組むことで、組合員の協力関係の広がりは市や町にとって大きな財産でもあるといいます。

この後、さがみ生活クラブ、湘南生活クラブの各理事長からも説明がありました。

そして最後に東京大学教授の本多由紀さんがまとめてくださいましたが、その中で印象的な指摘がありました。「支援」の危険性について、奥田知志さん(NPO法人抱僕理事長)の言葉の紹介でした。「支援」とは、今のあなたがダメだという意味を含んでいる。共に生きるという意味で取り組む事が大事だと。一見すると何の変化も無い様子でも何か動いていることがあるならばそれは出来ることがあるわけで、ならば一緒にやっていこうよと私たちも向き合う事が出来るのだと。

はたらっくの話はこれまでも聞いてきましたが、その度に課題を抱え、工夫をして進化している様子がわかります。行政からの委託を受ける形の事業展開ですが、行政の出来る範囲を超えるには市民参加が必要不可欠です。厚木でも生活困窮者支援は行われていますが、そこにある課題に市民が関わる事でより重層的な支援が可能であるならば、新たな動きのチャンスを作りたいと思います。