震災から1年〜被災地から

2012年3月25日 11時29分 | カテゴリー: 活動報告

「強くなった子どもたち」

震災から1年。以前厚木市から仙台に転居したお母さんからのメッセージです。

東日本大震災から1年がたちました。
 1年前の3月11日の地震の1時間前、私は津波に襲われた仙台新港のイベント会場にいました。たまたま子供の下校時間が重なったために少しだけ早く会場を出たので命が助かりましたが、その時に会場に残った人達の多くは亡くなり、助かった人も寒さと不安に耐えながら1日屋上で夜を明かし救助を待ったそうです。今でも思い返すと胸が苦しくなります。
 多くの犠牲が伴った東日本大震災。幸いにも生き残ることができ、また生活を続けられる私たちは、今年1年必死に何か互いの結びつきを求めていたように思います。あの震災で真っ暗な家々を明るく照らしたのは子ども達の笑顔でした。「お一人様3品まで」の買い物に3時間もの間一緒に並ぶ2歳の子供。2歳の子供もお一人様なのです。まだまだ雪が残る寒さの中、1時間歩き、2時間並び水を汲み、重たい水を両手に持ち、また1時間かけて歩き家に帰る小学生。そんな苦労して汲んだ水をお隣の老夫婦に快く分ける姿もありました。普段は反抗ばかりして手伝いなどしたこともない中高生も、生きるために水汲みや買い物に付き合い、親や祖父母を助ける姿に私たち大人はとても勇気づけられていました。地区の青少年健全育成推進協議会で、震災後から宮城県の青少年の犯罪が減ったとの話を聞きました。毎年問題が発生する成人式も、今年はスムーズに進行したそうです。あんな震災は二度と起こってはほしくありませんが、言い表せない、子育てに必要な『何か』をこの1年で見聞きしたように思います。
 下の詩は、津波の被害が多かった石巻の小学1年生の男の子が書いた詩です。とても印象深かったので紹介します。
         『あたりまえ』
    テレビであはは
    ケームにむ中
    おかしをむしゃむしゃ
    ともだちとあそんで
    トイレに行ったらお水をながして 手をごしごし
    くらくなったら電気をピカッ
    パパとおふろでジャバジャバ
    あらったパジャマいいにおい
    ふとんでおやすみなさい
    あしたも学校でみんなとあそぼうってねむる
    あたりまえのせいかつを
    つなみがぜんぶながしていった
    でもあたりまえがやっとかえってきた
    いまはあたりまえがうれしい
    あたりまえが大すき
    あしたもあたりまえがいいなぁ

 震災直後から時間の経過と共に様々な変化を伴いながら,依然として多くの課題が残っています。長い年月をかけて解決していかなければならない問題も多く、専門的な力も必要だと思いますが、その中で今を生きていかなくてはならない子ども達は、確実に震災後何かを感じ、その経験を忘れずに前に進んでいるように思います。私は、震災から1年たち、あたりまえの生活に麻痺してしまわぬよう今一度子育てのあり方を見直す必要があるように感じています。
             (宮城県仙台市在住 小野 利美)